世界初となる鉛筆製造者は、1660年頃にドイツ・ニュルンベルクで事業を行っていたという記録が残っています。周辺の村では、多くの職人たちが小さな店を構えていました。とりわけ郊外の町、シュタインでは、バイエルン州アンスバッハ侯爵の統治するエリアでは盛んに鉛筆生産が行われていました。この地方はニュルンベルクのような厳しい統制がなかったため、の職人たちは自由に鉛筆を作ることができたのです。
そのうちの一人が、家具職人のカスパー・ファーバーでした。当初彼は、地元の仲間のために鉛筆を作っていましたが、時間ができると彼自身の名前で鉛筆を作り、販売するようになりました。品質の良さから彼の作る鉛筆は次第に有名になり、ひとつのビジネスとして確立させました。このように地元の鉛筆製造から小さく始まりましたが、やがて世界中で知られるブランドとなっていくのです。